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2008年11月30日

【法】仕立屋が一流なら仕立屋のモンになるデ!

今日の法律家へのお勉強

http://archive.mag2.com/0000268482/index.html
http://archive.mag2.com/0000254937/index.html
http://archive.mag2.com/0000200400/index.html
http://regist.lec-jp.com/mail/u/l?p=lLIsmBohZa8Z
http://archive.mag2.com/0000127566/index.html
http://m.mag2.jp/b/M0074991
http://m.mag2.jp/b/M0074991
http://archive.mag2.com/0000266738/index.html
http://archive.mag2.com/0000216238/index.html
http://archive.mag2.com/0000182652/index.html
http://archive.mag2.com/0000253293/index.html
http://archive.mag2.com/0000179544/index.html
http://bn.merumo.ne.jp/list/00510983
http://archive.mag2.com/0000228273/index.html

●【記述式問題】
失踪宣告を受けたAの妻Bは、Aの保険金を受け取り、借金の返済にあてた。その後Aの生存がわかり、失踪宣告が取り消された。
この場合、Bの権利、義務について40字程度で記述せよ。
「Bに特に権利はなく、義務は現に利益を受けた限度で保険金を返還すること。」
正解:
『失踪宣告の取り消しにより権利を失うため、現に利益を受けた限度で保険金の返還義務を負う。』(43字)
家庭裁判所は、利害関係人の請求により、失踪宣告をすることができますが、この中に検察官は含まれません。
これは当然のことで、家族が帰りを待っているのに、検察官が自分の判断で、その人を死んだことにするわけにはいかないからです。
補助開始の審判などの請求は、検察官も含まれていました。この違いを明確にしておいてください。


●○か×か?
BがAの所持する材料に工作を加えて椅子を完成させた場合に、その椅子の所有権は、AとBとの取決めに関係なく、Aに帰属する。
「× 費用の比率によって帰属する割合が変わる。」
正解:
×
今日の1条(民法246条)
「他人の動産に工作を加えた者(加工者)があるときは、その加工物の所有権は、材料の所有者に帰属する。
ただし、工作によって生じた価格が材料の価格を著しく超えるときは、加工者がその加工物の所有権を取得する」
----------------------
今日の解説
洋服の下地を買って背広の仕立てを依頼した場合、通常の場合は、その背広の所有権は材料(下地)の提供者にある(仕立賃だけを払えばよい)
しかし、仕立て屋さんが超一流であって、背広が極めて高価なものに変身したときは、仕立て屋さんの物になる(仕立賃だけでは済まない)
ただし、いずれの場合も、当事者間で特別な取り決めがあれば、それによることになる。  
よって本肢の場合、通常は、その机の所有権は材料の所有者Aにあるが、「AとBの取り決めにより加工者Bに所有権ありとすることもできる」
「仕立屋が一流なら仕立屋のモンになる!」


●○か×か?
A会社はBに債権を有していたが、Cが同債権を差し押さえ『差押通知』がBに届いた。
しかし、同債権につきAから債権譲渡を受けたDからの『確定日付ある譲渡通知』が同日にBに届いており、
Cの差押通知との『先後は不明』であったため、Bは債権者不確知として債務全額分を『供託』した。
Cは、供託された債務の『全額』への取立権を主張することが『できない』。
「先取特権でどっちが優先されるか、ってことかな… でも、ただの債権者は優先されんのじゃなかったっけ? なら、×。 差押えたモンが強い。」
正解:



×
B?←C(国)




(供託)第494条
債権者が弁済の受領を拒み、又はこれを受領す ることができないときは、弁済をすることができる者(以下この目において「弁済者」という。)は、債権者のために弁済の目的物を供託してその債務を免れることができる。
弁済者が過失なく債権者を確知することができないときも、同様とする。

(差押命令)第145条(※2)
執行裁判所は、差押命令において、債務者に対し債権の取立てその他の処分を禁止し、かつ、第三債務者に対し債務者への弁済を禁止しなければならない。(※3)
4 『差押え』の効力は、差押命令が『第三債務者に送達された時』に生ずる。

(指名債権の譲渡の対抗要件)第467条
指名債権の譲渡は、譲渡人が債務者に通知をし、又は債務者が承諾をしなければ、債務者その他の第三者に対抗することができない。
2 前項の通知又は承諾は、『確定日付のある証書』によってしなければ、債務者以外の第三者に対抗することができない。

判例:
「債権が二重に譲渡された場合、譲受人相互の間の優劣は、…確定日付のある通知が債務者に到達した日時又は…承諾…の先後によって決す」(最判昭49.3.7,到達時説)。
判例:
「滞納処分としての『債権差押えの通知』と『確定日付』のある右『債権譲渡の通知』の第三債務者への『到達の先後関係が不明』であるために、第三債務者が債権者を確知することができないことを原因として右債権額に相当する金員を『供託』した場合において、
被差押債権額と譲受債権額との合計額が右供託金額を超過するときは、
差押債権者と債権譲受人は、公平の原則に照らし、
被差押債権額と譲受債権額に応じて供託金額を『案分した額』の供託金還付請求権をそれぞれ分割取得する」(最判平5.3.30)。(※)
#到達の先後不明のため債権額が供託されると、債権額に応じた還付請求権の分割取得がCDに認められる。
Cは、「債務の全額への取立権を主張することができない」。

※判例の理由
1「債権差押えの通知と確定日付のある右債権譲渡の通知とが当該第三債務者に到達したが、その到達の先後関係が不明であるために、その相互間の優劣を決することができない場合」、
「同時に第三債務者に到達したものとして取り扱う」。

2CD両者はどちらも、もしBに対しその供託前に給付の訴えをしていれば、債務『全額』につき「勝訴判決を得ることができ」た(最判昭55.1.11参照)。

「しかし、このような場合(本問)には、差押債権者と債権譲受人との間では、互いに相手方に対して自己が優先的地位にある債権者であると主張することが許されない」。

かといって、債務者BがCDいずれに対しても弁済する必要が無いとすると不当なので(上告理由)、
ええい、もうしょうがない、「公平の原則に照らし」二人で山分けしてやってくれ(按分比例,破産法192条2項類推?)

(配当の順位等)破産法第194条
2同一順位において配当をすべき破産債権については、それぞれその債権の額の割合に応じて、配当をする。

「えっ、ホンマか? 『差押債権者と債権譲受人は案分額をそれぞれ分割取得する』んか…」


●○か×か?
買主A、B及びCは、売主Dに対し900万円の連帯債務を負い、3者の負担部分は等しいものとする。
次のそれぞれの記述のうち,誤っているものはどれか。
1 
DがAに対し、その債務を全額免除したとき、B及びCは600万円についてDに連帯債務を負うことになる。
2 
Aについて破産手続開始の決定があったとき、DはAの破産財団の配当に900万円をもって加入できる。
3 
Aが900万円をDに弁済し、B及びCに対し求償したが、Bは無資力であったとき、CはAに対し450万円償還しなければならない。
4 
AがDを相続したときは、Aの債務は消滅するが、B及びCは依然として、900万円についてAに連帯債務を負う。
「4 連帯債務はもうない。 300万円づつ償還はせないかんけど。」
正解:

肢1【○】
  連帯債務者の1人Aに対する債務の免除があれば、他の債務者に対し、
  その負担部分につき効力が及ぶため、
  他の債務者はAの負担部分を抜いた残額の連帯債務を負担することになります。
  DがAの債務を全額免除すると、BCは、Aの負担部分300万円だけ債務を免れ、
  BCは、900万円−300万円=600万円 の連帯債務を負担することになります。

肢2【○】
債権者は、債務者の全員に対して、誰にいくら請求するかは自由であって、
  全員に全額請求することも可能です。
  連帯債務者の1人が破産手続開始の決定を受けてもこのことは変わりません。
  債権者は、連帯債務者について破産手続開始の決定があったときも、
  その債権の全額(ここでは900万円全額)について破産財団の配当に加入できます。

肢3【○】
  連帯債務者の中に、無資力で償還できない者がいるときは、求償した者と残りの
  債務者との間で、各自の負担割合に応じて無資力者の負担部分を分担して
負担します。
  したがって、債務者の1人Aが900万円全額を弁済して、他の債務者BCに
  300万円ずつ求償しようとしたところ、Bが無資力だった場合は、
  Bの負担部分300万円をAとCとで、ACの負担部分に応じて、半分ずつ、
  つまり150万円ずつ負担します。(Bの負担部分300万円÷2=150万円)

肢4【×】
債権と債務が同一人に帰したとき、その債権は消滅し、このことを混同と
言います。
  連帯債務者の1人とその債権者との間に、混同が生じると、その債務者は
債務を全額、弁済したものとみなされ、連帯債務は消滅します。
  Dを相続したAは、債務の900万円を1人で弁済したときに準じて、
  他の連帯債務者BCに対し、各自の負担部分に応じて償還を求めることが
できます。

「」



●○か×か?
行政行為の拘束力とは,行政行為の内容に応じて相手方およびその他の
関係人を拘束する効力をいうが,その効力は,当該行政行為を行った
行政庁には及ばない。
「×」
正解:
×
拘束力とは,行政行為の内容に応じて相手方およびその他の関係人を拘束
する効力をいう。この点,ここにいう「その他の関係人」には,行政行為を
行った行政庁自身も含まれるため,当該行政庁にも拘束力が及ぶものと
解されている。




●○か×か?
民法の共有に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
1 
各共有者は、その持分の範囲内であれば、単独で共有物に変更を加えることができる。
2 
各共有者は、共有物の全部につき、その持分に応じた使用をすることができる。
3 
各共有者は、単独で共有物の保存行為をすることができる。
4 
共有者の1人が持分を放棄したときは、その持分は他の共有者に属す。
「1… かな…」
正解:

「」


●○か×か?
1.2008年「行政書士試験」本試験解説

■ 問題1 法令の適用範囲および効力等に関する次の記述のうち、妥当でな
いものはどれか。

1 わが国の法令は、原則としてわが国の領域内でのみ効力を有するが、わが
国に属する船舶および航空機内では、外国の領域内や公海においても効力を有
することがある。

2 渉外的な要素が含まれる事件については、わが国の裁判所が外国の法令を
準拠法として裁判を行うことがある一方で、外国の裁判所がわが国の法令を準
拠法として裁判を行うことがある。

3 法律は、その法律または他の法令に定められた日から施行されるが、施行
期日の定めがない場合には、公布の日から20日を経過した日から施行される。

4 法令に違反する行為に対して刑罰の定めがあり、その法令の失効前に違反
行為が行われた場合には、その法令の失効後においても処罰を行うことができ
る。

5 法律Aと法律Bが一般法と特別法の関係にあり、Aが全面的に改正されて
施行された場合には、後から施行された新しいAがBに優先して適用される。

「」
正解:


1.○ その通りです。刑法1条2項は「日本国外にある日本船舶又は日本航
空機内において罪を犯した者についても」刑法を適用するとしています。

2.○ その通りです。法の適用に関する通則法の4条1項は「人の行為能力
は、その本国法によって定める。」とありますので,外国人の行為能力につい
てはその本国法が準拠法になります。

3.○ その通りです。法律の施行期日について定めた法の適用に関する通則
法の2条によれば「法律は、公布の日から起算して二十日を経過した日から施
行する。ただし、法律でこれと異なる施行期日を定めたときは、その定めによ
る。」しています。

4.○ その通りです。罪刑法定主義は刑罰法規の不遡及を内容としますが
(憲法39条参照),実行行為時に違法であれば,法令失効後に処罰を行うこ
とは可能です。

5.× 間違いです。改正されても,一般法と特別法の関係は変わりませんか
ら,特別法が優先的に適用されます。



★参照法令

【刑法】

(国内犯)
第一条  この法律は、日本国内において罪を犯したすべての者に適用する。
2  日本国外にある日本船舶又は日本航空機内において罪を犯した者につい
ても、前項と同様とする。

【法の適用に関する通則法】

(法律の施行期日)
第二条  法律は、公布の日から起算して二十日を経過した日から施行する。
ただし、法律でこれと異なる施行期日を定めたときは、その定めによる。

(人の行為能力)
第四条  人の行為能力は、その本国法によって定める。
2  法律行為をした者がその本国法によれば行為能力の制限を受けた者とな
るときであっても行為地法によれば行為能力者となるべきときは、当該法律行
為の当時そのすべての当事者が法を同じくする地に在った場合に限り、当該法
律行為をした者は、前項の規定にかかわらず、行為能力者とみなす。
3  前項の規定は、親族法又は相続法の規定によるべき法律行為及び行為地
と法を異にする地に在る不動産に関する法律行為については、適用しない。


【憲法】

第三十九条  何人も、実行の時に適法であつた行為又は既に無罪とされた行
為については、刑事上の責任を問はれない。又、同一の犯罪について、重ねて
刑事上の責任を問はれない。





●○か×か?
「健康保険法」からの問題です。

------------------------------------------------------------------------------
2.問題

 以下の問題に対し、正しいか誤りかをお答え下さい。


問題.被保険者資格を喪失し、傷病手当金の継続給付を受けていた者が、その給付を
   受けなくなった日後3ヵ月以内に死亡したときは、埋葬を行う者に埋葬料が支給
   される。

「」
正解:
正しい

(解説)
 以下の要件のいずれかに該当するとき、最後の保険者から埋葬料(費)の支給を
受けることができます。


1.傷病手当金の継続給付を受けている間に死亡したとき
2.1の給付を受けなくなった日から3ヵ月以内に死亡したとき
3.被保険者の資格を喪失した日後3ヵ月以内に死亡したとき





●○か×か?
〔問題〕行政機関個人情報保護法における「行政機関」についての次の
記述のうち正しいものがあげられているのはどれか。


ア 「省」と「庁」は、本法にいう「行政機関」に該当する。しかし、
「委員会」は、本法にいう「行政機関」に該当しない。

イ 内閣府設置法や宮内庁法で規定されている、「文教研修施設」や
「作業施設」は、本法にいう「行政機関」に該当しない。

ウ 国家行政組織法第8条の2に基づいて設置される、「試験研究機関」
「医療更生施設」「矯正収容施設」等の施設は、本法にいう「行政機関」
に該当しない。

エ 会計検査院は、本法にいう「行政機関」に該当する。


1.ア   2.イ   3.ウ   4.エ   5.なし

「」
正解:


〔解説〕
================================
ア 「省」と「庁」は、本法にいう「行政機関」に該当する。しかし、
「委員会」は、本法にいう「行政機関」に該当しない。
================================
間違い。

第2条1項3号では、国家行政組織法第3条2項に規定する機関は、本法の
「行政機関」に該当するとしています。
国家行政組織法を見てみましょう。

国家行政組織法第3条2項
行政組織のため置かれる国の行政機関は、省、委員会及び庁とし、その
設置及び廃止は、別に法律の定めるところによる。

よって、「省」と「庁」だけでなく「委員会」も本法にいう「行政機関」
に該当します。
したがって、該当しない、とする本記述は間違いです。
イ 内閣府設置法や宮内庁法で規定されている、「文教研修施設」や
「作業施設」は、本法にいう「行政機関」に該当しない。
================================
間違い。

第2条1項4号では、内閣府設置法第39条と第55条、宮内庁法第16条2項で
定められる機関は、本法にいう「行政機関」に該当する、とされていま
す。

内閣府設置法第39条
本府には、第四条第三項に規定する所掌事務の範囲内で、法律又は政令
の定めるところにより、試験研究機関、文教研修施設(これらに類する
機関及び施設を含む。)及び作業施設を置くことができる。

第55条
委員会及び庁には、法律の定める所掌事務の範囲内で、法律又は政令の
定めるところにより、試験研究機関、文教研修施設(これらに類する機
関及び施設を含む。)及び作業施設を置くことができる。

宮内庁法第16条2項
宮内庁には、その所掌事務の範囲内で、政令の定めるところにより、文
教研修施設(これに類する施設を含む。)及び作業施設を置くことがで
きる。

以上により、「文教研修施設」や「作業施設」は、本法にいう「行政機
関」に該当することになります。
よって、該当しない、とする本記述は間違いです。



================================
ウ 国家行政組織法第8条の2に基づいて設置される、「試験研究機関」
「医療更生施設」「矯正収容施設」等の施設は、本法にいう「行政機関」
に該当しない。
================================
間違い。
第2条1項5号では、国家行政組織法第8条の2に規定された施設等の機関
は、本法にいう「行政機関」に該当すると規定されています。

国家行政組織法の条文を見てみましょう。

国家行政組織法第8条の2(施設等機関)
第三条の国の行政機関には、法律の定める所掌事務の範囲内で、法律又
は政令の定めるところにより、試験研究機関、検査検定機関、文教研修
施設(これらに類する機関及び施設を含む。)、医療更生施設、矯正収
容施設及び作業施設を置くことができる。

よって、本記述にあげられた施設は、国家行政組織法第8条の2に登場し、
これらは、行政機関個人情報保護法第2条1項5号により、「行政機関」
に該当すると規定されています。
したがって、該当しない、とする本記述は間違いです。



================================
エ 会計検査院は、本法にいう「行政機関」に該当する。
================================
正しい。
第2条1項6号により正しいです。

本法第2条1項6号に、ずばり「会計検査院」とだけ明示されているので、
これが一番判断しやすいと思います。

実際、この部分(「行政機関」の定義)が試験で出題されても、これが
正解の肢になるように作られるのではないか、と考えてしまいます。


<ポイント>
本問のような問題が出題されたら、
本法は「地方公共団体を除く、国の行政主体のすべてを対象としてる」
と判断してよいと思います。






●○か×か?
「個人情報」等

□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
〔問題〕個人情報保護法及び行政機関個人情報保護法に関する次の記述
のうち正しいものはどれか。


1.個人情報保護法には、プライバシーという語句を用いて、私生活上
の秘密を個人情報として保護しようとしている。しかし、行政機関個人
情報保護法には、プライバシーという語句は用いられていない。

2.死者に関する情報が同時に生存する遺族を識別できる場合、外国人
に関する情報で個人を識別できる場合、音声や映像で個人を識別できる
場合、これらは個人情報保護法の「個人情報」に当たるが、行政機関個
人情報保護法の「個人情報」には当たらない。

3.個人情報保護法において、本人は「保有個人データ」を開示、訂正、
利用停止等の請求の対象とする。行政機関個人情報保護法において、本
人は「個人情報ファイル」を開示、訂正、利用停止の請求の対象とする。

4.「保有個人情報」とは、行政機関の職員が職務上作成し、又は取得
した個人情報であって、当該行政機関の職員が組織的に利用するものと
して、当該行政機関が保有しているものをいい、かつ、情報公開法第2
条2項に規定する行政文書に記録されているものに限る。

5.行政機関個人情報保護法は、国、地方のすべての行政主体を対象と
する。しかし、国会や裁判所は、本法が『行政』機関個人情報保護法で
あることから、対象とならない。

「」
正解:
○4

〔解説〕
================================
1.個人情報保護法には、プライバシーという語句を用いて、私生活上
の秘密を個人情報として保護しようとしている。しかし、行政機関個人
情報保護法には、プライバシーという語句は用いられていない。
================================
間違い。
個人情報保護法、行政機関個人情報保護法ともに、プライバシーという
語句は用いられていません。
プライバシーに属する情報と「個人情報」とは、法律上は別ものです。
これらの法律が対象とする「個人情報」とは、特定の個人を識別できる
情報にすぎず、私生活上の秘密等ではありません。
(私生活上の秘密が、個人の識別ができれば「個人情報」といえます)



================================
2.死者に関する情報が同時に生存する遺族を識別できる場合、外国人
に関する情報で個人を識別できる場合、音声や映像で個人を識別できる
場合、これらは個人情報保護法の「個人情報」に当たるが、行政機関個
人情報保護法の「個人情報」には当たらない。
================================
間違い。
個人情報保護法の「個人情報」と、行政機関個人情報保護法の「個人情
報」とは同じ意味です。よって、本肢のような特定の個人の識別が可能
な情報は、どちらの法律ででも「個人情報」に当たります。
その結果、これらの法律の規律の対象となります。

(今年の本試験でも、類問が出題されました)



================================
3.個人情報保護法において、本人は「保有個人データ」を開示、訂正、
利用停止等の請求の対象とする。行政機関個人情報保護法において、本
人は「個人情報ファイル」を開示、訂正、利用停止の請求の対象とする。
================================
間違い。
第一文の、個人情報保護法に関する記述は正しいです。
行政機関個人情報保護法の第4章(第12条以下)は、請求権の対象を
「保有個人情報」としていますので、第二文は間違いです。



================================
4.「保有個人情報」とは、行政機関の職員が職務上作成し、又は取得
した個人情報であって、当該行政機関の職員が組織的に利用するものと
して、当該行政機関が保有しているものをいい、かつ、情報公開法第2
条2項に規定する行政文書に記録されているものに限る。
================================
正しい。
肢3で解説したように、行政機関個人情報保護法の「保有個人情報」と、
個人情報保護法の「保有個人データ」には、請求の対象となるものとい
う点で共通していますが、両者の定義は随分異なります。

行政機関個人情報保護法第2条3項による「保有個人情報」の定義は、本
肢のような内容です。

個人情報保護法の「保有個人データ」については、同法第2条5項に書か
れています。



================================
5.行政機関個人情報保護法は、国、地方のすべての行政主体を対象と
する。しかし、国会や裁判所は、本法が『行政』機関個人情報保護法で
あることから、対象とならない。
================================
間違い。
本肢を言い換えると、第2条1項の「行政機関」に当たるかどうかを聞い
ています。
本法の「行政機関」に該当すれば、本法の規律の対象となるからです。

第二文は正しいです。国会、裁判所は本法の対象とはなりません。
「行政機関」ではないからです。三権分立もその理由です。

第一文の「すべての」という部分が間違いです。
確かに本法は、国の行政主体のすべてを対象としています。
しかし、地方公共団体は対象としていません。地方のことは、その特性
に任されることになります。






●○か×か?
行政機関における個人情報の取扱い(1)

□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
〔問題〕個人情報保護法及び行政機関個人情報保護法に関する次の記述
のうち正しいものはどれか。
なお、本問の「行政機関」とは、行政機関個人情報保護法が適用される
行政組織等のこと(行政機関個人情報保護法第2条1項)をいう。
また、本問の「個人情報取扱事業者」とは個人情報保護法が適用される
民間の事業者(個人情報保護法第2条3項)のことをいう。


1.個人情報の利用目的をできる限り特定する義務は、行政機関個人情
報保護法が適用される「行政機関」と、個人情報保護法が適用される
「個人情報取扱事業者」ともに共通して課せられている。

2.本法が適用される「行政機関」は、直接、書面に記録されたその本
人個人情報を取得する場合には、利用目的が明らかであっても、その利
用目的を明示しなくてはならない。これは、強大な権限を行使する場合
があることの裏返しとして、慎重さを重視するためである。

3.利用目的の達成に必要な範囲内において、情報の正確さを確保しな
くてはならない法的義務があるのは、「行政機関」と「個人情報取扱事
業者」とで変わりは無い。

4.「行政機関」の長、「個人情報取扱事業者」ともに、漏えい、滅失
又は毀損の防止、その他適切な措置を講じなければならない義務を負う
ことで共通している。しかし、個人情報保護法と同じく、行政機関個人
情報保護法の当該義務規定には、例外が設けられている。

5.「個人情報取扱事業者」は、事業内容の変更に伴い利用目的を変更
することが可能であるが、「行政機関」は、公務の内容が大幅に変更す
ることが稀なので、利用目的変更についての規定は無い。

「」
正解:


〔解説〕
================================
1.個人情報の利用目的をできる限り特定する義務は、行政機関個人情
報保護法が適用される「行政機関」と、個人情報保護法が適用される
「個人情報取扱事業者」ともに共通して課せられている。
================================
正しい。

行政機関個人情報保護法第3条1項、個人情報保護法第15条1項により、
利用目的特定の義務が課せられています。
よって、本肢は正しいです。



================================
2.本法が適用される「行政機関」は、直接、書面に記録されたその本
人個人情報を取得する場合には、利用目的が明らかであっても、その利
用目的を明示しなくてはならない。これは、強大な権限を行使する場合
があることの裏返しとして、慎重さを重視するためである。
================================
間違い。

法第4条により、直接、書面に記録されたその本人個人情報を取得する
場合には、利用目的を明示する義務があります。
この点は、個人情報保護法第18条2項と類似しています。

法第4条4号は、上記の原則の例外として、取得の状況からみて利用目的
が明らかであると認められる場合には、利用目的を明示しなくてよい、
と規定しています。
この点も、個人情報保護法第18条4項4号と共通しています。

よって、「利用目的が明らかであっても、その利用目的を明示しなくて
はならない」とする本肢は間違いです。

なお、本肢の第二文は、テキトーに考えて書いたものです。無視してい
ただいて構いません。



================================
3.利用目的の達成に必要な範囲内において、情報の正確さを確保しな
くてはならない法的義務があるのは、「行政機関」と「個人情報取扱事
業者」とで変わりは無い。
================================
間違い。

本肢の「法的義務」を「努力義務」に変えれば正しい記述になります。
「行政機関」と「個人情報取扱事業者」とで、正確性確保の努力義務が
あることは共通しています。以下、その条文を記載します。

個人情報保護法第19条(データ内容の正確性の確保)
個人情報取扱事業者は、利用目的の達成に必要な範囲内において、個人
データを正確かつ最新の内容に保つよう努めなければならない。

行政機関個人情報保護法第5条(正確性の確保)
行政機関の長は、利用目的の達成に必要な範囲内で、保有個人情報が過
去又は現在の事実と合致するよう努めなければならない。

二つの条文で、多少表現は異なりますが、正確性を確保することで、個
人の誤った情報が利用されることを防止し、個人の権利利益を保護しよ
うとする要請に変わりはないので、共通する趣旨の規定です。
とはいえ、常に、最新の正確な情報を保つことは困難なので、努力義務
に留めているという点も、共通しています。



================================
4.「行政機関」の長、「個人情報取扱事業者」ともに、漏えい、滅失
又は毀損の防止、その他適切な措置を講じなければならない義務を負う
ことで共通している。しかし、個人情報保護法と同じく、行政機関個人
情報保護法の当該義務規定には、例外が設けられている。
================================
間違い。

第一文は正しいです。
行政機関個人情報保護法第6条(安全確保の措置)、
個人情報保護法第20条(安全管理措置)です。
この二つは、多少表現は異なるものの、その趣旨は共通しています。
よって、本肢第一文のように言えます。

第二文は、2ヶ所間違いがあります。
この安全管理の部分については、例外規定はありません。
安全管理のための措置は、そもそも行なわなければならないのが当然で
あり、例外的に、危険な状態を放置しておいてよい、ということにはな
りません。
よって、行政機関個人情報保護法、個人情報保護法ともに、この安全管
理に関する義務に例外規定は存在しません。
したがって、行政機関個人情報保護法に「例外が設けられている」とす
る部分、「個人情報保護法と同じく」とする部分ともに間違いです。


※本肢記述中の『毀損』は、条文上は『き損』と表記されていますが、
ひらがなを用いると逆に問題文が読みにくくなりそうだったので、漢字
表記にしました。



================================
5.「個人情報取扱事業者」は、事業内容の変更に伴い利用目的を変更
することが可能であるが、「行政機関」は、公務の内容が大幅に変更す
ることが稀なので、利用目的変更についての規定は無い。
================================
間違い。

前段の「個人情報取扱事業者」についての記述は正しいです。
(個人情報保護法第15条2項)

後段は、間違いです。
利用目的変更についての規定は、行政機関個人情報保護法第3条3項に存
在します。
よって、「規定は無い」とする本肢は間違いです。

なお、利用目的の変更については、条文もほとんど同じで、相当の関連
性と合理性という制限のもと、変更することができます。
以下、条文を載せます。

行政機関個人情報保護法第3条3項
行政機関は、利用目的を変更する場合には、変更前の利用目的と相当の
関連性を有すると合理的に認められる範囲を超えて行ってはならない。

個人情報保護法第15条2項
個人情報取扱事業者は、利用目的を変更する場合には、変更前の利用目
的と相当の関連性を有すると合理的に認められる範囲を超えて行っては
ならない。






●○か×か?
行政機関における個人情報の取扱い(2) ※難問

□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
〔問題〕個人情報保護法や行政機関個人情報保護法に関する次のアから
ウの記述の正誤の組合せで正しいものはどれか。


ア 個人情報保護法では、個人データを取扱う従業者に対する直接の義
務規定は無い。同様に、行政機関個人情報保護法でも、個人情報の取扱
いに従事する職員に対する直接の義務規定は無い。

イ 個人情報保護法が適用される「個人情報取扱事業者」は、特定され
た利用の目的の達成に必要な範囲を超えた利用は許されない。行政機関
個人情報保護法が適用される「行政機関」の場合は、前述の範囲外の利
用も許される。

ウ 行政機関の長は、法令に基づく場合を除き、行政機関個人情報保護
法3条1項で特定された利用目的以外のために保有個人情報を自ら利用し
てはならない。


    ア  イ  ウ
1.  正  正  正
2.  誤  誤  正
3.  誤  正  誤
4.  正  誤  誤
5.  正  語  正

「」
正解:


〔解説〕
================================
ア 個人情報保護法では、個人データを取扱う従業者に対する直接の義
務規定は無い。同様に、行政機関個人情報保護法でも、個人情報の取扱
いに従事する職員に対する直接の義務規定は無い。
================================
間違い。

個人情報保護法の場合は、個人情報取扱事業者に対して、従業者を監督
する義務を定めることで、個人データの取扱いの安全を図っています
(個人情報保護法第21条)。
よって、従業者に対する直接の義務規定はなく、事件・事故の場合には、
民法(契約違反、不法行為)や刑法で処理することになります。

一方、行政機関の職員には、公務員(又は準公務員)の地位に着目して
いるためか、直接の義務規定があります。
行政機関個人情報保護法第7条により、「みだりに他人に知らせ、又は
不当な目的に利用」することを禁じています。
※こまかい話になるので、詳しくは別の問題に譲りますが、場合によっ
ては、罰則規定が適用される可能性もあります。
よって、従事者(職員)に対する直接の義務規定があります。

以上により、
前者は、従業者に対する直接の義務規定はなく、
後者は、従事者に対する直接の義務規定があることから、
本肢は間違いです。



================================
イ 個人情報保護法が適用される「個人情報取扱事業者」は、特定され
た利用の目的の達成に必要な範囲を超えた利用は許されない。行政機関
個人情報保護法が適用される「行政機関」の場合は、前述の範囲外の利
用も許される。
================================
間違い。

簡単に判断すると、間違いではないか、という印象です。
第二文の「範囲外の利用も許される」というのは常識に反する、
と感覚的に判断できそうです。
また、民間の事業者ですら特定の目的によって利用が制限される(個人
情報保護法第16条1項)のに、
大きな権限をもつ行政機関が、その法定された所掌事務遂行以外の利用
が安易に許されるというのは危険ではないか、ということを思いつけば、
間違いではないか、と判断できます。
実際、このように簡単に判断して構いません。本肢は間違いです。

ですが、本肢のような、利用目的による制限についての条文である、
行政機関個人情報保護法第3条2項を詳しく知っている場合には、逆に
迷いが生じるかもしれません。

法第3条2項は、「特定された利用の目的の達成に必要な範囲を超えて…
保有してはならない」と規定しているからです。
「保有してはならない」と規定しているのであって、利用を禁止してい
るわけではない、という考えが浮かんでしまえば迷うことになります。
しかし、保有が禁じられているということは、利用も禁じられていると
考えるのが自然でしょう。
行政法の組織法のところの学習及び憲法の学習を思い出しましょう。
行政組織は、法律を根拠に活動します(法律による行政)。
法律によって与えられた権限分配を無視することはできませんでした。
とすると、そもそもその行政機関の権限に反するとして保有が禁止され
ている個人情報を利用することはできないはずです。

よって、「範囲外の利用も許される」とする本肢は間違いとすべきです。

なお、個人情報保護法に関する第一文は正しいです。



================================
ウ 行政機関の長は、法令に基づく場合を除き、行政機関個人情報保護
法3条1項で特定された利用目的以外のために保有個人情報を自ら利用し
てはならない。
================================
正しい。

本肢は、法第8条1項です。ほぼ条文をそのまま問題にしました。
よって正しい記述です。


<補足>
先ほどの記述イでは、利用目的の範囲外の利用が許されない、というこ
とを説明するのに、長々と書いてしまいました。
この第8条1項を指摘すれば、記述イの説明としては充分では、とも考え
られます。

しかし、それでは正確とはいえません。

というのは、記述イで登場した第3条2項と、本肢で登場した第8条1項と
で、主語が異なるからです。義務規定で主語か異なるということは、義
務を負う主体が異なることになってしまいます。

条文をあげて説明すると、

第3条2項 「行政機関は…」目的の範囲を超えて保有してはならない。 
第8条1項 「行政機関の長は…」利用目的以外の利用をしてはならない。

という規定になっていますので、
記述イを説明するために、第8条1項を使うことは、別の人に対する義務
をもって説明していることになります。

例えば、
医師法が適用されるお医者さんに対して、弁護士法上の義務規定を強制
しているようなもので、スジ違いではないか、という感じです。


しかし、この説明でも問題が生じます。
内閣府のウェブサイトに、行政機関個人情報保護法についてのよくある
質問とその回答が載せられているのですが、それによると、

「行政機関は…」とする条項と「行政機関の長は…」とする条項の区別
が曖昧なまま説明されています。

そのウェブページにある『Q5−5』から一文引用します。

「行政機関は、原則として、利用目的以外の目的のために保有個人情報
を利用・提供してはなりません(保護法第8条第1項)」

と書かれています。
この公的な説明は、第8条1項の主語が「行政機関の長は…」となってい
ることと違っています。

この公的な解説を重視するなら、先ほどの記述イは、第8条1項を指摘す
れば説明としては充分ということになる、とも言えそうです。

結局のところ「行政機関は…」「行政機関の長は…」の違いは試験対策
の場面においては、大した問題ではなく、
結論が常識的に妥当かどうかがポイントである、

と考えればよさそうです。

やはり、記述イ「範囲外の利用も許される」という結論が常識的に間違
いに思える、と考えるだけで充分みたいです。
(あくまで試験対策上の話です。)


以上、本問は、常識に合わせて判断すると簡単に解ける問題ですが、条
文を詳しく覚えておくなどした勤勉な受験生が迷ってしまう、という意
味では難問だったと思います。

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