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2008年03月01日

済/第1章総則(466〜473…4債権譲渡)

●○か×か?
「乙が甲から丙への譲渡をあらかじめ承諾していた場合であっても、甲が乙に対して譲渡の通知をしなければ、丙はその譲受けを乙に対抗することはできない」(旧司法試験 昭和57−26)
「えっ、承諾してんだろ? なら、×。」
正解:
×
譲渡債権とその譲受人が特定している場合、予めなされた承諾も対抗要件になります(最判昭和28年5月29日)。
債権譲渡
原則的に債権は譲渡することができます。 指名債権に関しては、通知または承諾が必要になります。 この承諾は、譲渡前に行われたものでも、対抗要件になります。
(債権の譲渡性)
第466条
債権は、譲り渡すことができる。 ただし、その性質がこれを許さないときは、この限りでない。
2 前項の規定は、当事者が反対の意思を表示した場合には、適用しない。 ただし、その意思表示は、善意の第三者に対抗することができない。
(指名債権の譲渡の対抗要件)
第467条 
指名債権の譲渡は、譲渡人が債務者に通知をし、又は債務者が承諾をしなければ、債務者その他の第三者に対抗することができない。
2 前項の通知又は承諾は、確定日付のある証書によってしなければ、債務者以外の第三者に対抗することができない。
「『債務者に通知をし、又は債務者が承諾』か。 この場合、乙が債務者で、甲が債権者、丙が取立屋ってとこか… なるほど… 考えてみりゃ当たり前。 諾成契約と同じで、一度承諾したなら、受入れなイカン。 でなきゃ、損害賠償。 でも、確か、保証人だけは諾成契約が使えないんだよな。」


●○か×か?
「譲渡禁止の特約がある債権も差し押さえることができる」(旧司法試験 昭和57-65)
「×。 確か『年金』とか、『一身に専属』とか… 差押えができないとか… いや、でもこれは特約だから、当事者同士が決めたことなんで、関係ないか… やっぱ○かな…」
正解:

譲渡禁止特約は、その債権に対する差押の可能性を否定するものではありません。
「そう、そうだよな。 特約の中に『僕の古銭は譲渡しません』って書いてても、差押とは関係ないだろな。」
(債権の譲渡性)
第466条 
債権は、譲り渡すことができる。ただし、その性質がこれを許さないときは、この限りでない。
2 前項の規定は、当事者が反対の意思を表示した場合には、適用しない。ただし、その意思表示は、善意の第三者に対抗することができない。
解説(口語民法:自由国民社からの参照):
2 ただし、この特約を知らないで譲受したり、質に取ったり、差押えたりすることはできる。
注解:
例えば土地、建物などの賃借権、雇用契約における使用者の権利など。 しかし絶対的なものではない。 法律上譲渡が禁止されている例として、扶養請求権(881条)、災害補償請求権(労基法83条2)、労災保険請求権(労災補償保険法12条5-2)、社会保険給付請求権(厚生年金保険法41条・健康保険法61条など)、恩給権(恩給法11条)など。
「どんな状況か色々考えたけど… つまりこういう場合かな… 
金貸しがオッサンにカネを貸してる。 金貸しとオッサンは『この債権は譲渡しません』っていう特約を交わしてる。 でも、この金貸しは金主から借りてて、その金主にとうとう返せんようになってしもた。 だから金主は金貸しに先取特権を行使して、差押えた。 そん時、オッサンへの債権も差押えることができる。 モチロン、金貸しはオッサンに証書通知をせないかんやろうけど。 金貸しが不甲斐なかったら、エライ目にあうで…」

(一般の先取特権)
第306条 
次に掲げる原因によって生じた債権を有する者は、債務者の総財産について先取特権を有する。
1.共益の費用
2.雇用関係
3.葬式の費用
4.日用品の供給
(指名債権の譲渡の対抗要件)
第467条 
指名債権の譲渡は、譲渡人が債務者に通知をし、又は債務者が承諾をしなければ、債務者その他の第三者に対抗することができない。
2 前項の通知又は承諾は、確定日付のある証書によってしなければ、債務者以外の第三者に対抗することができない。
「で、ついでに『差押禁止債権』は何だったっけ? それに『一身に専属』するって、どんな時に使うんだっけ?」
(債権者代位権)
第423条
債権者は、自己の債権を保全するため、債務者に属する権利を行使することができる。 ただし、債務者の一身に専属する権利は、この限りでない。
2 債権者は、その債権の期限が到来しない間は、裁判上の代位によらなければ、前項の権利を行使することができない。ただし、保存行為は、この限りでない。
(差押禁止債権を受働債権とする相殺の禁止)
第510条
債権が差押えを禁じたものであるときは、その債務者は、相殺をもって債権者に対抗することができない。
「解るようで解らん。 差押えダメな奴は相殺できない? 何のこっちゃ?」
http://excathaysteward.seesaa.net/article/91790521.html
『差押禁止債権』=扶養料、失業保険金、健康保険金、厚生年金など
http://excathaysteward.seesaa.net/article/94548487.html
相続財産に含まれない物
A遺族年金
遺族に支払われるものです。


●○か×か?
「債権譲渡について確定日付のない単なる通知がされた後に、確定日付がある通知が届いた場合には、確定日付がある通知の方が優先する」
「タブン○。 確定されてる方が判り易い、特に官僚的に。」
正解:

対抗要件は、確定日付ある通知、承諾です。確定日付ある通知があれば、そちらが優先します。
(指名債権の譲渡の対抗要件)
第467条 
指名債権の譲渡は、譲渡人が債務者に通知をし、又は債務者が承諾をしなければ、債務者その他の第三者に対抗することができない。
2 前項の通知又は承諾は、確定日付のある証書によってしなければ、債務者以外の第三者に対抗することができない。
(債権者の交替による更改)
第515条 
債権者の交替による更改は、確定日付のある証書によってしなければ、第三者に対抗することができない。


●○か×か?
CがBのAに対する『債権を譲り受け』、その旨を『通知』したところ、Aが、その『債権の発生原因』が『公序良俗』に違反することを理由として、Cに対してその債権が無効であると主張する場合、AのCに対する主張は『認められない』。(司試6-24)
「A=債務者、B=債権者、C=譲受人。 ×。」
正解:
×
#
本件では債権譲『受』人Cが債務者に通知をしているが(※2)、債権譲渡の対抗要件は「譲『渡』人」の「通知」か、「債務者」の「承諾」であり、どちらも無いのでCは「対抗要件」を何ら具備しておらず(467条1項)、債務者「Aが、その『債権の発生原因』が『公序良俗』に違反することを理由として、Cに対してその債権が無効であると主張する場合、AのCに対する主張は認められ」る。

467条1項の趣旨
債務者の『二重弁済の危険』を防止する趣旨。すなわち、見ず知らずの債権譲受人と称する第三者からいきなり私が新しい債権者になりましたと通知されても、債務者としては、本当にその者へ払って良いかわからない。せめて元々の債権者――「譲渡人」――から「通知」を受ければ、本当に債権は譲渡人に譲渡されたとわかるから、安心して債権譲受人を相手に債務を弁済できる。だからこそ譲受人からの「通知」ではダメである。もっとも、「債務者が承諾」をした場合、譲受人の債務弁済への期待を保護する必要から、「対抗」力を生じうる(467条1項)。


Bが通知した場合
この場合も、Aは90条をCに対して主張できる(468条2項)。
(指名債権の譲渡における債務者の抗弁)
第468条
<異議をとどめない承諾>
2『譲渡人が譲渡の通知をしたにとどまるとき』は、債務者は、その『通知を受けるまでに譲渡人に対して生じた事由』をもって『譲受人に対抗することができる』。
なお、本問解答の根拠条文を468条2項とするものがあるが(Wセミナー過去問集)、「通知」をしたのは「譲渡人」Bではなく譲受人Cであるから、正しくない。


90条の趣旨
α
法律行為自由・個人の意思の自治の原則(2条・憲13条)に対する、β当該社会における法律の理想からの例外的修正原理である(1条1項・憲13条後段参照)。「公序良俗」の観念は極めて抽象的であり、具体的内容は各時代の法律理想に依存し、現代では90条による法律行為の制限は範囲を拡張すべき(我妻・総86)とされる。
「これは完全な引っ掛け問題だな… まぁ、正義は通ったならイイや。 俺が本当に知りたかったのは、」


Bが通知した場合
この場合も、Aは90条をCに対して主張できる(468条2項)。
(指名債権の譲渡における債務者の抗弁)
第468条
<異議をとどめない承諾>
2『譲渡人が譲渡の通知をしたにとどまるとき』は、債務者は、その『通知を受けるまでに譲渡人に対して生じた事由』をもって『譲受人に対抗することができる』。
「この条文で、公序良俗違反でもって、譲受人に対抗できる、ってことだな…」


●○か×か?
『司法試験昭和38年・問11のストーリー』
【登場人物】
すっぽん父:ボクシング選手3兄弟の父(乙)
KOジム:ボクシングジム(甲)
K-1プロモータ―(丙)
【物語】
すっぽん3兄弟は大阪で有名なワルだったが父の指導の下ボクシングのトレーニングに精をだし、スカウトの姿もちらほら目に付くように。 そんなある日、父が本業の解体業で事故を起こし、負債を抱えた。 そこに登場したのが東京のKOジム
KO:
借金はこちらで処理しますから、親子で東京に来ませんか、世界戦のファイトマネーで返済してくれれば結構です。
すっぽん父:
ほんまですか!
世界戦でのファイトマネーでKOへの債務を返済するという契約を結び、父子は意気揚々と東京へ移住。 マスコミにも注目された。 KOジムは時期早尚といわれながらも今がチャンスと次男すっぽん2号の世界戦タイトルマッチを組んだ。 ところが… 負けそうな気配に焦って前代未聞の反則を犯し、試合はぼろ負け。 ファイトマネーは没収。 もてはやしていたマスコミにもたたかれた。 孤立無援となってしまったすっぽん親子の元に現れたのはK-1のプロモーター。
K−1:
あんたの借金は息子に試合させて俺に返してもらえばいいから。
スッポン父:いいからって… おたくボクシングちゃうやんか。
K−1:
だから〜KOさんから債権譲渡してもらったの。 スッポン2号、あと20kg身体作ってK-1World Maxに出ろってこと! K-1は反則に厳しくないし、ぴったんこだと思うよ。
スッポン父:
そんな無茶なルール違反や!
【問題】
甲が乙に対する債権を丙に譲渡した。 丙が乙に対して譲渡の通知をすれば丙は乙に対して債権者であることを主張することができる。(司S38−11)
「○じゃねぇか。 サラ金とか銀行とか、こんなこと、しょっちゅうやってそう。」
正解:
×
【解説】
さくら:まず467条1項を見てみましょう。
(指名債権の譲渡の対抗要件)
第467条 
指名債権の譲渡は、譲渡人が債務者に通知をし、又は債務者が承諾をしなければ、債務者その他の第三者に対抗することができない。
さくら:
このように、指名債権の譲渡は、譲渡人が債務者に通知をし、または債務者が承諾をしなければ、債務者に対抗することができません。 すなわち、債権譲渡の対抗要件は債務者に対する通知または債務者がする承諾です。
スッポン父:
ようわからん。結局2号は20kg肥えなあかんのかどっちやねん!
さくら:
あんたが債務者で譲渡人がKO、譲受人がK-1!上の図を見て自分で当てはめて考えて!
K−1:
えっと…、俺がスッポンに譲り受けたといってもダメってことか!?
さくら:
そのとおり。「譲受人」の通知でいいとすると、実際に譲り受けていない人が、「私が債権を譲り受けました」と嘘をついたときに債務者は判別つかないからね。 だから通知は譲渡人自らがしなければならず、譲受人が譲渡人に代位して通知することも認められないわけ。
K−1:
でもさ、「または債務者が承諾しなければ」ってあるじゃん。 とにかく債務者に承諾させちゃえばいいんじゃないの〜?
さくら:
無理やり承諾させたら、強迫を理由に取り消されるのがオチよ!
「『債務者の承諾』が必要なのか… じゃ、ヤクザの取立屋が『アンタへの債権を買いましたんや〜』なんていうのはダメってことか? でも、
『譲渡人が債務者に通知をし、又は債務者が承諾』
ってあるから、譲渡人が通知をすればOKってことか? 承諾せんならせんでもえぇ、ってことやな。 ただ一言『取立屋に売るよ』って言えばえぇ、ってことや。 全然債務者守られてないなぁ…」



●債権の譲受人が譲渡の事実を第三者に主張するのに必要なものは?
「目的物の占有。」
正解:
譲渡人から債務者に対する確定日付ある証書による通知、または債務者の確定日付ある証書による承諾
「これは考えてなかったな… でもどんな状況?」
(指名債権の譲渡の対抗要件)
第467条 
指名債権の譲渡は、譲渡人が債務者に通知をし、又は債務者が承諾をしなければ、債務者その他の第三者に対抗することができない。
2 前項の通知又は承諾は、確定日付のある証書によってしなければ、債務者以外の第三者に対抗することができない。
「あぁ、指名債権の話か…」


●【記述式問題】
AはBから、BがCに対して有していた100万円の金銭債権を、80万円で譲り受けた。 その後、AB間の債権譲渡の事実を知らないDに対しても、Bが当該金銭債権を90万円で譲渡していたことが判明した場合、どのような要件を満たせば、CはDに対抗することができるのか。 40字程度で記述しなさい。
「なんか、こういうのは昨日読んだな… えぇ
『金貸しBがCに100万貸しとる。 金貸しBは取立屋Aに債権を80万で売った。 金貸しBは取立屋Dには90万で売った。 債務者Cはたぶん知らんだろな…』
『債務者CがDの債権譲受に関する通知を受けていない、または承諾していない時、Dに対抗できる。』」

ヒント:
民法第467条
第1項
指名債権の譲渡は、譲渡人が債務者に通知をし、又は債務者が承諾をしなければ、債務者その他の第三者に対抗することができない。
第2項
前項の通知又は承諾は、確定日付のある証書によってしなければ、債務者以外の第三者に対抗することができない。
「たぶん正解だろ。 でも2項が気になる…
『Cが確定日付付証書によるDの債権譲受に関する通知を受けていない、または承諾していない時。』
いや、でも、2項は第三者に対抗するための用件だから、違うんじゃないかな…
1項…
金貸しBの債務者Cに対する対抗要件であり、かつ不当な取立から債務者Cを守るため。 
2項…
『通知又は承諾』が対抗する、って書いてある。
『通知』があったら『証書付き通知』自体が取立屋Dに対抗する。
『承諾』は債務者Cが『承諾証書』をもって取立屋Dに対抗するための要件。
だから、やっぱ答えはこれでいいのか… ちなみに他の人達の答えは…」

―確定日付のある証書による、BからCへの通知、又はCからのBまたはAに対する承諾が必要。
―AB間の譲渡につき、確定日付のある証書により、BがCに通知、又は、Cの承諾が必要。
―Bよりの通知が無く、債権譲渡の証明が確定日付のある証書でされていないこと
―AやBから確定日付けのある債権譲渡の通知や、Cの承諾が無い場合はDに対抗できる。
―Aへの債権譲渡の通知の確定日付のほうが早い、又は通知が先に到達した場合はDに対抗できる。
―BがCに通知するか、またはCが承諾した場合であるが、いずれも確定日付けのある証書による。
―CはBからの確定日付のある証書による通知をもってDに対抗することができる。
「なるほど… 2通りの見方がある、ってことだな。
●通知がなくて対抗できる場合
…第二の知らん取立屋がやって来たとき、『金貸しからそんな通知はないなぁ… 金貸しから通知の控えを貰ってきたんか?!』と言える。
●通知があって対抗できる場合
…第二の知らん取立屋がやって来たとき、『第一の取立屋に譲渡した、っていう通知がきたんや。 お前についての通知はないなぁ… 帰れ!」



●○か×か?
債権が二重譲渡された場合には、必ず確定日付のある証書による通知あるいは承諾がある方が優先して弁済を受けられる
「○っぽいけど…」
正解:
×
※二重譲渡の場合の譲受人間の対抗要件
 ●一方のみが確定日付のある証書による通知あるいは承諾を具備している場合
 →確定日付のある証書による通知あるいは承諾のある方が弁済を受けられる
 ●両方とも確定日付のある証書による通知あるいは承諾を具備している場合
 →確定日付のある証書による通知が債務者に到達するか又は、債務者の承諾の日時が早い方が弁済を受けられる
 ●両方の確定日付のある証書による通知あるいは承諾を具備が同時の場合
 →各譲受人は、債務者に対して全額の弁済を請求することができる
♪太朗の一言アドバイス♪
債務者が「異議をとどめない承諾」をしたときは、譲渡人に対抗できた事由があっても、これをもって譲受人に対抗することができません。<468条1項前段>
ただし、この「譲受人」には悪意の譲受人は含まれないというのが判例です。


●間違い探し
当事者間に債権譲渡禁止特約が取り交わされている場合において、この特約に反する譲渡は必ず無効になる
「これも何が間違ってんか、全然解らん…」
-比較認識
※債権の譲渡の効力
●債権譲渡禁止契約
→ 譲受人が善意であり、かつ、重過失がない場合には当該債権譲渡は有効
●異議をとどめない承諾
→ 善意の譲受人に対して、承諾するまでに譲渡人に主張できたことを主張できない<468条1項>
♪太朗の一言アドバイス♪
債権譲渡は、譲渡人と譲受人の合意によって成立します。
「約束を破ってもイイ、ってこと? 人に貸した金を他人に取り立ててもらってもイイ、ってこと? ダメっていう約束があっても? これは悪徳業者が使いそうな抜け穴だな… そういえば、『ミナミの帝王』にも出てたと思う…」
(指名債権の譲渡における債務者の抗弁)
第468条  
債務者が異議をとどめないで前条の承諾をしたときは、譲渡人に対抗することができた事由があっても、これをもって譲受人に対抗することができない。この場合において、債務者がその債務を消滅させるために譲渡人に払い渡したものがあるときはこれを取り戻し、譲渡人に対して負担した債務があるときはこれを成立しないものとみなすことができる。
2  譲渡人が譲渡の通知をしたにとどまるときは、債務者は、その通知を受けるまでに譲渡人に対して生じた事由をもって譲受人に対抗することができる。
「あぁ、『譲渡人』か… 内容的には同じなんだろうけど… 第468条の状況がよく分らん…
『債務者が異議をとどめないで前条の承諾をしたときは、譲渡人に対抗することができた事由があっても、これをもって譲受人に対抗することができない。』
までは解るんだけどね…」

解説(口語民法:自由国民社からの参照):
第468条  
【前半略】この場合、債務者が譲渡人に以前引渡した物があれば取戻せるし、債務を負担していても、それはなかったことにする。
2 譲渡人が通知で出しただけで、債務者に届いてない間、債務者が異議を申立てたら、譲受人にも主張できる。
「あぁ… まぁ、こんな事もあるやろうなぁ… 郵便関係で。 あんまないやろうけど。」


●【記述式問題】
AがBに対して有する売掛債権をCに譲渡した後、BがAに当該債務全部の弁済をし、Aはこれを受領した。
AがBに対して債権譲渡の通知をしたにとどまるときは、
Bは当該通知を受けるまでにAに弁済したことをもってCに対抗することができるのに対し、
BがAに対する弁済をもってCに抗弁することができないのはいかなる場合であるかについて、40字程度で記述しなさい。
「これは読んだことあるな… まずはヒントを見ずに…
『Bが債権譲渡に関し、異議を申立てずに承諾してしまった場合、弁済をもってもCに対抗できない。』」

ヒント:
民法
(指名債権の譲渡における債務者の抗弁)
第468条
1項
債務者が異議をとどめないで前条の承諾をしたときは、譲渡人に対抗することができた事由があっても、これをもって譲受人に対抗することができない。
この場合において、債務者がその債務を消滅させるために譲渡人に払い渡したものがあるときはこれを取り戻し、譲渡人に対して負担した債務があるときはこれを成立しないものとみなすことができる。
2項
譲渡人が譲渡の通知をしたにとどまるときは、債務者は、その通知を受けるまでに譲渡人に対して生じた事由をもって譲受人に対抗することができる。
「 ちなみに他の人達の答えは…」
―Bが異議を留めないで承諾をしたときは、Aに対する弁済をもってCに対抗できない。
―Bが異議を留めないでAからCへの債権譲渡を承諾した時は、BはCへ対抗できない。
―BがAに対して相殺敵状を持っているのに善意のCへの債権譲渡に対して異議を唱えなかった場合。


●○か×か?
甲が乙に対して有する金銭債権につき、甲と丙とが『通謀』して甲から丙に債権を譲渡したかのように『仮装』した場合において、乙が『異議をとどめないでその債権譲渡を承諾』したときでも、乙は丙に対し、その債務の弁済を『拒むことができる』。(司試59-44)
「『通謀』は不法行為だから、無効だし、拒否れる。 ○。」
正解:

#
乙が異議をとどめないでその債権譲渡を承諾したときでも、乙は通謀虚偽表示の当事者であり、悪意の丙に対し、その債務の弁済を拒むこ
とが『できる』。

判例の理由
「468条1項本文が指名債権の譲渡につき債務者の異議をとどめない承諾に抗弁喪失の効果を認めているのは、
β債権譲受人の利益を保護し一般債券『取引の安全』を保障するため法律が附与した法律上の効果と解すべきであって、
α悪意の譲受人に対してはこのような保護を与えることを要しないというべきだからである」(判旨)。


「譲渡人に対抗することができた事由」とは契約の取消し・無効による債権の不成立・弁済その他の事由による消滅などが含まれる。
これらの事由があっても債務者は善意の債権譲受人に対して弁済しなければならない(我妻・債48)。
もっとも、「この場合において、債務者がその債務を消滅させるために譲渡人に払い渡したものがあるときはこれを取り戻し」、またその債務を消滅させるために譲渡人と和解又は更改などをして「譲渡人に対して負担した債務があるときはこれを成立しないものとみなすことができる」(468条1項後段)。
「大体解った…」
甲→乙

×
丙―?→乙
(虚偽表示)
第94条
相手方と通じてした虚偽の意思表示は、『無効』とする。
2 前項の規定による意思表示の無効は、『善意の第三者』に対抗することができない。
(指名債権の譲渡における債務者の抗弁)
第468条
『債務者が異議をとどめない』で前条<指名債権の譲渡の対抗要件>の『承諾』をしたときは、『譲渡人に対抗することができた事由』(※2)があっても、これをもって『譲受人に対抗することができない』。この場合において、債務者がその債務を消滅させるために譲渡人に払い渡したものがあるときはこれを取り戻し、譲渡人に対して負担した債務があるときはこれを成立しないものとみなすことができる。
2 譲渡人が譲渡の通知をしたにとどまるときは、債務者は、その通知を受けるまでに譲渡人に対して生じた事由をもって譲受人に対抗することができる。
判例:
債務者が異議をとどめない承諾をしても、抗弁喪失の効果は『悪意の譲受人』に与えられない(最判昭42.10.27)。(※)
「第468条の目的は解るけど、読んだことないなぁ… 今度、熊本弁に直しとこ。」


●指図債権の譲渡は、その証書に譲渡の(A)をして譲受人に交付しなければ、債務者その他の第三者に対抗することができない。
「えぇぇ…『指図債権』って何だっけ? 証券とか手形だったかな… だから…
『裏書』かな…?」

正解:
A=裏書
(指図債権の譲渡の対抗要件)
第469条  
指図債権の譲渡は、その証書に譲渡の裏書をして譲受人に交付しなければ、債務者その他の第三者に対抗することができない。
(指図債権の債務者の調査の権利等)
第470条  
指図債権の債務者は、その証書の所持人並びにその署名及び押印の真偽を調査する権利を有するが、その義務を負わない。ただし、債務者に悪意又は重大な過失があるときは、その弁済は、無効とする。
(記名式所持人払債権の債務者の調査の権利等)
第471条  
前条の規定は、債権に関する証書に債権者を指名する記載がされているが、その証書の所持人に弁済をすべき旨が付記されている場合について準用する。
「おぉ、正解。 しかも証券(小切手・手形)とからしいし。」



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